梁瀬義亮前理事長の七回忌を期して慈光会大会を開催させていただきます。
音楽は、ピアノとチェロの演奏(牧村照子、牧村英里子、池村佳子)と共に、梁瀬先生を静かに偲ぶ催しをと考えております。
曲目は
テンペスト(ベートーベン)
コレルリ(ラフマニノフ)
エレジー(フォーレ)
白鳥(サン・サーンス)その他です。
皆様是非ご参加ください。
記
時7月18日(日)
午後一時開場 一時半開演
所五條市市民会館ホール
入場は無料ですが、入場整理券が必要です。
整理券は慈光会販売所店頭でお渡しいたします。
遠方の方は7月10日迄にお申し込みください。
小さなお子様のご入場はご遠慮ください。
会員以外の方も、どうぞお越しください。
五月九日(日曜日)の仏教会に、梁瀬義亮前理事長の七回忌の法要と仏眼寺ご住職勝部先生のご法話がございました。
当日は七〇名近い方々がお参り下さり、梁瀬先生の在りし日を偲びました。
前段で勝部先生は、「宗教とは何か」と言う問題を、「有限」と「無限」という観点から大変分かりやすくお説き下さいました。
又後段では、有名な「二河白道」(にがびゃくどう)のお話しがあり、私たち人間が必ず出会わなければならない解決不可能な諸問題〔生老病死の四苦に・愛別離苦(愛するものといつかは必ず別れなければならない苦しみ)、怨憎会苦(親子、兄弟、夫婦、嫁姑、商売敵、ライバル、戦場での敵同士など、憎しみ合う人と必ず会わねばならない宿命を持つ苦しみ)、求不得苦(求めて得ざる苦しみ)、五陰盛苦(万象の流転による心身の苦しみ)を加えた八苦〕を乗り越える道について、仏教に則して具体的に説明して下さいました。梁瀬先生存命の頃が彷彿と偲ばれるご法話でした。
最後に前理事長次女の牧村照子氏によるピアノ演奏が行われ、法と音楽を通じて梁瀬先生のメッセージが心に響いてくるような一日が幕を閉じました。
(来る七月一八日〔日曜〕の慈光会大会の時にも、牧村氏の演奏があります。奮ってご参加下さい。)
慈光会の梅ジュースとみかんジュースは、どちらも慈光会が三〇年来完全無農薬有機農法で育てた農産物一〇〇%で作られたオリジナル商品です。豊作の年にしか製造できない貴重な品です。安心でおいしい本物の味をご賞味下さい。
無農薬うめジュース 一本 五三〇円
無農薬みかんジュース一本 七〇〇円
(消費税、送料別途)
それぞれ六本箱入りもございます。ご進物にもご利用下さい。
《自転車都市 デービス市》
デービス市中心部から車で五分のところに広がる「ビレッジホームズ」と呼ばれる地域では、九九号でご紹介した「緑と土を生かす工夫」がもっと沢山目の前に広がっています。「こんな所に住みたいな」と思わせられるアイディアがいっぱいなのです。それではレポートを見てみましょう。(雑誌「ECO21」より)
「ビレッジホームズ」、ここは総面積二四万三〇〇〇 に二四〇家族が暮らす地域です。見渡すと、家と家との間に垣根や塀が一切ありません。地続きのそれぞれの家の庭には、家庭菜園が作られていて、色々な種類の野菜が植えられています。ここに暮らす人々は、この収穫を隣人と分け合っていただくのだそうです。ビレッジ内のそこここに見られる木は、たとえばリンゴやアーモンドの木だったりして、花を楽しんだ後に、その収穫も又いただけるようになっています。ぶどう畑も、町内会が栽培していて、ビレッジホームズの住民なら誰でも食べたり持って帰ったりして良いのだそうです。住民同士の信頼関係が伺い知れますね。
ここでは道路というものの考え方が又、とても違っています。車の為の道路ではなく、人が生活するための道路なのです。道は狭く、二車線しかありません。そして右に左にゆるやかにカーブを描いていて、全てが行き止まりになっています。ですからスピードを出して村を通り抜ける車はありませんし、ビレッジホームズの車もこの道をゆっくりと走るのです。
公園(運動場)も大変充実していて、人々は三々五々、公園の木陰で骨休めすることができます。人工的にコンクリートで整備された公園ではなく、雑木(ぞうき)林やくさはらが広がる公園なのです。
体を動かすのが好きな人達は、その広いくさはらで、大人も子供も一緒になってスポーツに興ずることができます。自由に入って水浴びを楽しむ事のできる噴水やボランティアによる水泳教室なども用意されています。又、公園のベンチやあずまや、アスレチックの遊具などの設備は、木を中心にした自然素材が用いられ、使えなくなった後も自然に返るように配慮されています。
以上のような環境整備や運営維持には、多くの人手やお金がかかりそうですが、ビレッジホームズに住む人達は、これらの費用を、始め自分たちの手で農作業をして捻出していました。しかし続けるうちこれは困難になり、現在では、各戸月額八〇ドルという町会費を払って専門のガーデナーを二人雇って管理してもらっています。ここへの転入希望者は大勢いても、転出希望者は全くいないのだそうです。町会費を払っても住み続けたいと云う人ばかりのビレッジホームズの住環境は、本当の人間らしさにあふれていると言えるのでしょう。
扠、話をデービス市全体の方へ戻しましょう。環境教育について以前、ドイツの例をご紹介したことがありましたが、ここデービス市では、「環境教育」は「成人市民としての社会マナー習得のため」と目されていて、ことさら新しいものではありません。その根底には「町(自然)はみんなの共有財産」という認識があって、そこから様々な市民の活動が生まれてきています。市民は「自然保護委員会、市街樹委員会、計画委員会、公共施設委員会」などで直接自分の意見を述べることができ、「自分たちの町」をどのようにしたら住みよくできるかに主体的に関わることが出来る訳です。このようなシステムでしたら、公共投資の名の下に行われる自然破壊が、市民の手の届かないところで遂行されてしまうようなことはなくなることでしょう。
デービス市の例を間近に見てきますと、「エアコンや車をあまり使わなくてすむ、豊かな自然環境のある町並みの整備」と、「市民一人一人のなかにはぐくまれた自然を大切にしようという気持ち」が尊重されるとき、本当の意味での省エネが実現し、質素と豊かさが矛盾なく共存するということが納得出来ます。木々の中に人間が住まわせて頂くという謙虚な発想から街づくりが始まったとすれば、デービス市の様な町が出来てくるのかもしれません。
様々な角度から撮られた、美しい緑におおわれたデービス市の写真を見ていると、「自然と共に生きる町づくり」とは、そこに住む「人づくり」と必ずつながっているものであることを、木々たちが語りかけてくれているような気がいたしました。
〔最近日本でも「デービス市見学ツァー」が出来たそうです。ツアーを体験した各国の人々が世界中にデービス市の風を送ってくれるのを期待したいものです。〕
【完】