前号では、牛舎や豚舎から生まれる「バイオマスエネルギー」 についてご紹介しました。今月号ではまだまだ沢山ある「やさしいエネルギー」を探して、再び国内外を訪ねてみたいと思います。
ごみ埋立地からもエネルギーが!
デンマークの例です。ごみ埋立地の中に、年四万トン捨てられていた生ゴミのような有機物に注目しました。有機物が埋めてある埋立地の地表から地中に向かって、穴のあいたパイプを埋め込み、発生しているメタンガスを地上のポンプ小屋に吸い集めます。このガスを周囲の町や村に熱源用ガスとして送るシステムが作られ、一九九〇年から作動しています。余剰のガスで発電機を回し、生まれた電気はポンプ小屋で使われたり、各家庭に配電線で送られたりして利用されています。ガスの発生量は収集を始めてから二~三年がピークですが、今後二十年はガスを確保出来る見通しだそうです。このようなゴミ埋立地に作られたメタンガス利用施設は十八箇所あり(十八箇所合計で、三十六万KWh)、まさにエネルギーを得るために「規模は小さく、方法は多様に」(小規模分散型)を実践した例と言えましょう。
小水力発電
今度は日本国内です。群馬県前橋市を訪ねてみましょう。
水力発電は大規模なダムを作って行うものばかりではありません。前橋市では広瀬川農業用水路で水路の落差を利用し、七カ所で小水力発電を行っています。この方式は十 前後の落差を利用した「流れ込み式発電」と呼ばれるもので、ここで作られた電気は三万世帯、十万人に供給されています。農業用水路だけでなく工業用水道、砂防ダム等もこの方式に利用することが出来ます。小水力発電では巨大ダムの建設が不要なので下流の生態系に影響する事なく発電が可能になるのだそうです。これを全国的に行えば、原発十基の発電量に匹敵する電気が生まれるそうですから、これから十分注目出来るシステムと言えましょう。
風力発電
再びデンマークの例です。デンマーク北部は風が強いので有名な地帯ですが、この強い風を利用して八十年代より風力発電が著しい普及を遂げています。当初は、国内の必要量の一〇%(三十二億KWh)を風力でまかなうと決定されていたのですが、風力発電機を研究開発した結果、大変効率が良くなり、将来は五〇%を風力でまかなうと、修正決定されました。現在、デンマーク北部では消費量の八〇%を風力でまかなっているそうですので、全国の必要量の五〇%(百六十億KWh)を風力でまかなう日も決して遠い未来ではないでしょう。又、風力発電機の研究開発が大変進んでいて、建築コストは日本の1/2。世界の風力発電機の四八%がデンマーク製で、風力発電機が輸出品目の第三位を占めているそうですから、デンマークは、まさに風力発電先進国と言えましょう。
日本でもこの風力発電機を輸入して、実際に稼働させている町があります。山形県立川町は七年前から九つの風力発電機を設置していて、同町の消費電力の三〇%に当たる三千五百KWを発電しています。長年住民を悩ませて来た奥羽山脈から吹きおろしてくる強風を逆手にとって、風力発電を実現させたのです。立川町では将来一〇〇%を風力発電で賄うことを目標にしています。現在立川町の売電収益は年間六千万円。(電力会社に買い上げられている。)今後は目標に添ってさらに風車を増やし、クリーンなエネルギーを生み出すと共に、その収益を福祉や教育等に生かそうと検討されているそうです。又、同町は六年前、風に悩む自治体に呼びかけ「風サミット」を開催しました。当時三百人もの人が集まり、現在、立川町に続こうとする自治体は四十四にのぼっているそうです。
その自治体の一つ、北海道の苫前町では、「風サミット」に参加したことが契機となって、現在ウインドファームの建設が進んでいます。完成した暁には四十二基の風車が五万二千八百KWの電気を供給するようになる予定で、これは現在では国内第一の規模となります。
北海道ではその立地条件がデンマークに似ているため、風力発電への取り組みが大変盛んなのです。これからの発展が大いに期待されるところですね。
次号では「コジェネ」(電熱併給システム)を始めとする「眼からうろこが落ちるような工夫」をご紹介してゆく予定です。まだまだ「優しいエネルギー」へアプローチする道は沢山あるのです。どうぞお楽しみに!
この度、慈光会の念願でありました国内産無農薬有機丸大豆を使用した醤油が出来上がり、会員の皆様にお届けできる運びとなりました。国内産有機丸大豆は大変高価なため、やむを得ず値上げさせて頂きましたが、価格はできるだけおさえて設定させて頂きました。(同等品と比べて頂ければお分かりと思いますが破格の値段です。)国内の農業を支えるという意味においても、ご理解の上、今後とも慈光会の醤油をご利用下さいますよう、ご案内申し上げます。
慈光会特製国産無農薬丸大豆醤油
一ケース(一二本入り)一本(0.九 ) (税込み価格)五八五円
五ケース以上一本
(税込み価格)五六〇円
十ケース以上 一本 (税込み価格) 五三五円
※醤油のラベルはしばらく従来のものをそのまま使用させて頂きますが御了承下さい。
※送料は商品代と共に請求させて頂きます。