慈光通信#112-#152



有機表示問題について
  


財団法人慈光会 理事長  梁瀬 義範





 既に周知のとおりJAS法の改正により、来る四月より、農産物の表示方法が法律の規制を受けることになりました。これに伴い、たとえ有機栽培で作られた農産物であっても、登録認定機関による認証を受けないと、「有機」という表示が出来ないことになりました。
この有機表示問題に関して(財)慈光会では次のように考えております。  慈光会は、梁瀬義亮前理事長が昭和三四年(一九五九年)に農薬の害に気づき、「狂気」「ノイローゼ」と言われながらも、農薬の危険性を訴え続け、完全無農薬有機農法を実践してまいりました。
 そして、一九七一年に、国から財団法人の認可を受けたのですが、その「定款」の目的の項に
 「この法人は農薬と化学肥料を用いない健康農法の研究と実践により無毒かつ健康な農作物を生産、供給すると共に、その成果を提示して農薬公害問題解決の糸口をつくることを目的とする。又、この健康農法の研究及び普及。」と記されております。
 この財団法人という立場を鑑みますと、慈光会の農産物は全て間違いなく完全無農薬有機栽培によるものですから、ここに新たに第三機関の認証を受ける必要性は無いことになります。
 しかしながら、認証を受けませんと、法律的に「有機」という表示は使えません。そこで、慈光会では「有機農法」と云う表示の代わりに、故梁瀬義亮前理事長の著書の題名「生命の医と生命の農を求めて」から、暫定的ではありますが、「生命の農法」と表示させて頂くことに致しました。
 このような経緯で表示は変わりますが、慈光会の栽培方法は従来と全く変わらぬ、「完全無農薬有機栽培」です。どうぞよろしくご了承くださいますようお願い致します。
 尚、箱書き(みかんや八朔など)には「有機」と記せませんが、お知らせやインフォメーションなどに「有機」と記すことは法律に規制されませんので、「有機」という表現を従来通り使用致します。この点も併せてご了承下さい。
   農産物はまず第一に何よりも安全で、栄養に富み、食べた人の健康を支えるものでなければなりません。農業を営利目的の場にしてはいけないのです。昔から「農業は土作り、土作りは人づくり」と言われてきました。有機農法の実践を支えるものは「人」です。そして人と人の信頼関係が有機農業の基本です。
 慈光会では梁瀬義亮前理事長が設立趣意書に綴った精神を純粋に受け継ぎ、そして実践し続けたいと考えております。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。  

 

青汁のすすめ


  (あらゆる病気の予防と治療のために特に癌の予防と治療のために)
  

前理事長・医師 梁瀬 義亮


 
【この原稿は昭和五七年(一九八二年)に慈光会会誌に掲載されたものです。】
食生活にイモ・マメ・ナッパと海藻の大切さを忘れずに!
 これが炯眼高徳の仁医 遠藤仁郎医師の慈悲の叫びです。
 日本人の健康に最も大切なビタミン、ミネラル、酵素の大切さを叫ばれたのです。更に博士は緑の菜ッパ類をたくさん摂ることが如何に保健のみならず治療に有効であるかを発見し、青汁療法を提唱して、すばらしい臨床成績を得られました。
 過去二十年間、私も青汁療法を臨床に応用して予想以上の好結果を得ています。現代医学では難治とされる慢性病の治療には食生活の改善と青汁療法が精神生活の改善と相俟って唯一無二の根本治療法であると云えるでしょう。またこれは一切の病気の予防法、健康増進法であり、殊に子供の健康増進に有効です。皆様に毎日々々青汁をたくさんのむことを心からおすゝめします。
それについて特に注意すべきことは
  市販の野菜は絶対に使ってはだめです。
  必ず完全無農薬、無化学肥料のものを材料にして下さい。
  ホウレン草とウマイ菜(フダン草)は青汁材料としては不適です。これらは蓚酸を含んでいて腎結石の原因になります。
  ミキサーを使うときは水を少し入れます。
  廻転は遅い方を使い且つ、廻転時間は短くして下さい。(一分以内)。これは成分が壊れる恐れがあるからです。
  飲む量は病気の予防、健康の増進のため一日二合。
  病気の治療のため三 五合、或いはそれ以上が必要です。一般に飲む量が不足です。      
  

刈田
  


山の辺の道にて 花野 五壤


viewing from the mountain path

稲の刈ったあとの水田風景である。冬のどこにでもある景物であるが、この地表の暖かい土の香と地肌の部厚い手ざわりはなつかしく、稲の刈りあとの点々のリズムは美しい。特に淡雪の後など、その黒い点々がはっきり出て自然と人間生活が織りなす造形の美しさは素晴らしい。
点は美的造形の重要な要素であって、音楽にも通ずる美しい情緒をかもし出す。 ベートーベンの何という曲か、今思い出せないが台風の様な大きい音が急に止んで、寂とした時、遠くでかすかにトントントト……と誰か夜中に戸をたたいている様な気配に、戦慄に似た感動を味わった事がある。田舎の旅館で夜中にコココ……と遠くで鳴く水鶏を聞くときも。これも点の要素であろうか。
清の石濤、江戸期の池大雅の絵にも、この点々が実によく生かされた美しい作品がある。

  


慈光会第三回学習会のお知らせ
  


左記の要領で第三回学習会を開催致します。



  記
ビデオ上映:「奇妙な出来事アトピー」四六分 地球環境映像祭出品作品 優秀映画鑑賞会推薦  
テーマ  :「今、私たちの体に起きている奇妙な出来事について考える」
      ビデオを見て学習いたします。
日時  :三月二五日 午後1:30〜3:00終了予定(1:15開場)
場所  :慈光会販売所二階会場
入場料 :無料

「赤ちゃんの湿疹がひどい。」「最近の子供たちの体がおかしい。」「今の子供たちの心に何が起きているのだろう?」「アレルギー体質(湿疹、アレルギー性鼻炎等々)になったのかな?」等、日頃感じていることや、疑問に思っていることを改めて振り返る機会にして頂ければ、と考えております。会員以外の方も、どうぞ奮ってご参加下さい。

※尚、入場人数に限りがありますので、参加ご希望の方は前以てお申し込み下さい。(電話でも受付させて頂きます。)

※小学生以下のお子様のご入場はご遠慮下さい。              

慈光通信#112-#152