主人はそんな命の糧に元気をいただいて、日毎に元気になっていっています。本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願い申し上げます。
農場便り 6月
農場の行き帰りに吉野川を渡る。行きは東方の景色が、帰りは夕日に輝く西方の水面がとても美しい。
毎年4月中旬より河原にはたくさんのこいのぼりが青空に泳いでいる。大きな口いっぱいに風を吸い込み、気持ちよさそうに右に左にたなびいている。このこいのぼり、私の友人が各家庭の物置で眠っているものを集め、子供たちに夢をと4年前より毎年上げている。毎日こいのぼりが元気よく泳ぐ風景を見るのはとても楽しく、車で通る度ついつい横目で見てしまう。少々危険ではあるが、それにも増して力強く泳ぐこいのぼりはとても魅力的なものである。
ここで、今慈光会直営農場および協力農家の畑で栽培されている野菜をご紹介させていただこう。まず初めに日常の食生活の中で一番よく食される葉菜である小松菜、チンゲン菜、ニラ、ねぎ、青しそ、キャベツ、暑さに非常に弱いレタス。次に夏の定番である果菜類のきゅうり、トマト、ピーマン、ナス、ししとう、かぼちゃ、にがうり、いんげん、オクラなどさわやかな野菜たちである。そして少し地味なる根菜類、人参、大根、ごぼう、里芋、さつま芋。葉菜、果菜、根菜、今現在順調に各畑ですくすく育っている。
これからいよいよ梅雨期を迎えることとなる。作物によってこの時期を好むもの、そうでないものがある。好むものはさておき、この時期を一番の苦手としている作物にトマトがある。
少しトマトについて説明させていただく。原産国は南米熱帯地帯で茄子科に属し、日本の気候には最も合わないとされている。一般では、以前は露地栽培されていたため雨天の度に殺菌剤を消毒、しかし7月上、中旬の高温多湿時にはべと病、カビ病、青枯れ病などが発生し栽培上たいへん苦労していた。そこで考えたのが雨除け栽培である。ハウス栽培の屋根の部分だけを張り、横は風通しをよくする。雨だけを直接当てずに育てる方法である。慈光会でもその方法で栽培している。早く食卓にお届けするため、トマトは2月にハウス内の苗床に播種する。この苗床にはさらにもう一重トンネルを張る等の工夫をこらす。20cm位まで育った苗を株間35〜40cmに定植する。この作物はとても肥料に敏感で、元来南米のがれ地がふるさとであり少しの肥料でも見逃さず、すべて吸収する。そのため元肥は殆んど入れず、前作の残りの肥料とPH調整に石灰、ヨウ燐などを入れる程度である。元肥を多投するとムクムク大きくなり葉が黒々と茂る。しかしその後が大変で、先ず花は咲けども実はつかず、実のつかない木は益々大きく茂り、待ってましたとばかりに病害虫が発生する。少しのテクニックで大きく変わるのがトマト栽培であり誤魔化しは一切きかない。一段花が咲き結実、ピン球大になった頃を見計らって地上に油かすや綿実かすを畝間に施す。決して一度に沢山与えてはいけない。これさえ守れば、暑い夏フレッシュな真っ赤に完熟した果実を口にすることが出来る。大きな口を開け「ガブリ」と丸かじり。幸せ!となるのである。完全無農薬、無化学肥料で育てている当会のトマトは本年度も今現在協力農家、川岸さんのハウスで順調に育っており、皆様の食卓にお届けできる日もまもなくである。(※トマト栽培は上級のテクニックが必要、病害虫には広葉樹の木酢がおすすめ)
夕刻が迫り野良仕事を終える。心地よい疲労感と共に帰途につく。お日様が西の空を黄金色に染め、和泉山脈に沈もうとしている。吉野川の川面も夕日に染まり、その中をたくさんのこいのぼりが泳いでいる。美しいこの風景を見る度に思う。私たちが幼少の頃の美しい川はどこにいったのであろうか。水は澄みわたり、小魚が群れ泳ぎ、所々で銀色の体が空中に飛び跳ねる。美しい吉野川は私たち五條市民の誇りでもあり金剛山と共に何よりも愛されてきた。
近代科学的発想のもと、今全国で河川の美化を進めている。しかし大切なのは一人一人の美しい心が河川に反映し、真の美しさを取り戻すことではないだろうか。かつての美しい吉野川が一日も早く戻ってくることを願う。そんなことをあれこれと思いながら自宅に到着。既におなかはペコペコである。ドアを開け、大声で帰宅したことを告げる。その時もう目は食卓の上にある。数多くの当会の野菜料理が所狭しと並んでいる。何よりの幸せ。心は清く平和である。明日も青く澄み渡った大空を力強く泳ぐこいのぼりが目に浮かぶ。
かっこうの声が山々に響き渡る初夏の農場より
玄米を健康的に食べる秘訣とは?
今、健康のために玄米を食べる人が大変増えていますが、食べるときにはちょっとした秘訣が必要です。
玄米には豊富な食物繊維が含まれていますが、その中でも不溶性フィチン酸という成分が多く、これは体に悪いものを吸着して体外に出してくれますが(「ダイオキシン」の学習会でも紹介しました。)それと同時に、ビタミンやミネラルも一緒に吸い込んで排出してしまいます。ですからビタミンやミネラルを豊富に含む海藻や青い菜っ葉を一緒に食べる必要があります。
また、玄米には白米より多くのリンがあります。リンは沢山摂取するとカルシウムが体に吸収されにくくなります。又、リンにはカルシウムを体外に出してしまう性質もあります。ですから、カルシウムをたっぷり含むゴマや小魚などを一緒に頂く必要があるのです。
玄米の食物繊維は消化が悪いのでよくよく噛まないと胃腸に負担をかけてしまいます。
玄米を頂くときにはよく噛んで(一口20回以上を目安に)、海藻、青菜、ゴマ、小魚などを一緒に頂いて、ビタミン、ミネラル、カルシウムを必ず補うようにすることが大切です。
(参照:「キッチンの知恵」医学博士 本多京子著)
※ 尚、梁瀬医師は玄米食が体に適応しない人もいるので、すべての人に向くとは限らない、とおっしゃっていました。特に、小さい子供にはむずかしく、半搗き米や七分搗き米が適当だそうです。(大人でも適応しない人がいますので、主治医とよくご相談下さい。