慈光通信142号 (2006年4月)


自然と生命をとりもどすために IX

前理事長・医師 梁瀬義亮

【この原稿は、昭和五〇年(一九七五年)六月二九日高松市民会館で行われた梁瀬義亮前理事長の講演録です。】


健康と食物・食物と農法・農法と心

化学肥料を考える

   そこで現在の農法を批判させて頂きます。現在、私たちの頂いている米や野菜、すべて農産物は近代農法でできたものです。近代農法というのは化学肥料と農薬を2本柱として 成り立っている農法です。化学肥料についてちょっと申しますと、私達人類は今まで何千年という長い間、一つの農業をやって生きてきたわけです。ところが、今から130年ほど 前にドイツにリービッヒという化学者がでました。この化学者が植物を引きぬいて、そうしてそれを乾かして、それを焼いて灰にして、その灰を酸やアルカリや熱で分析して、 そうしてチッ素・リン・カリと、この3つの元素を見つけました。そこで彼は逆に「植物はチッ素とリンとカリでできているのだから、植物に3つの化合物をやれば植物は大きく なり育つんだ。いわゆる植物は無機質の薬品でできるんだ。」と言いだしたのです。これが化学肥料の基なんです。チツ素とリンとカリ(後になって微量要素はいろいろ分かりま したが)、こういったものさえやっていれば植物は大きくなるんだ。それが植物のえさなんだ。こういうことを言いだしたわけです。これが世界を風靡したわけです。ところが、 この説のおかしい所をいいますと、まず植物というものは生きているということです。しかも土の中に根をはって栄養をすい上げて生きているものです。それを引き抜いてこれを 枯らして焼いたらぜんぜん違うものになる。これをさらに酸やアルカリで分析して、色々な要素が加わった、そのでてきた結果だけをもってきて元の生きた植物を推し量り、その 植物のもっとも大事な栄養を考えるということは、ちょっと飛躍が激しいと思うんですね。あまりにも激しすぎる。実は、植物というのは自然の中の一員であるというのは事実で すね。植物が自然の中の一員であって、その植物がほんとうに自然から与えられた食物はなにかというと、土の中にたくさんの生物がおるんです。大きなのはモグラやミミズから、 小さいのはバクテリアに至るいろんな生き物がおります。ではどのくらいいると思いますか。1グラムのよく肥えた土地に数億のバクテリアがおります。それにいろいろなカビ、 原生動物とかダニの類とかいっぱいおるのです。この土の上から30センチの間にはものすごい生物の世界があるのです。その中に植物は根を張って、そうしてそのバクテリアとか カビなどが作るビタミンとか酵素とか、あるいは土の中のいろんな成分、あるいはバクテリアとかカビが分解してできたところの成分を植物がすい上げる。これが植物のほんとうの えさなんです。焼いて灰にした植物を分析して、チッ素とリンとカリがでたからといって、これをやればいいんだというところにおかしな所があるんです。ともかく化学肥料をやっ たらどうなるかと申しますと、地力低下と申しまして土が死んでしまうんです。土が砂漠になってしまいます。
どのようなことかと言いますとまず、化学肥料をやりますと酸分を持っておりますので、土が酸性になってしまう。酸性になってくると大切ないろんな微量要素などが抜けてしまったり、あるいは土の化学的性質が変わってくるわけですね。たとえて言いますと、硫安といいますと硫酸アンモニウムです。アンモニアが抜けると硫酸根が残る。硫酸を土に入れたことになって土が酸性になる。そういうふうにして土の化学的性質がすっかり変わってくる。酸性になるとカルシウムが足りない。だから石灰を入れて中和する。そうすると石灰と拮抗作用のあるカリが抜けてしまう。カリが足りないからといって酸化カリを入れると、今度はマンガンが抜けるというようなわけで、すっかり土が変質してしまうわけです。物理的にはどうなるかといいますと、農家の方ならすぐお分かりになると思いますが土が硬くなってしまう。いわゆる空気が通らない。それから保水力、保湿力がなくなる。だから、雨が降るとずるずるになる、日照りが続くとこちこちになり、熱くなると土が焼けるし寒ければ土が凍てるというような、まったく植物にとってはよくない土が物理的にできるというわけです。それから土の中にいるたくさんの微生物、バクテリア、カビなどが空気も通らないし、化学的にも変質してしまった硬いこの土の中では生きられなくなって、どんどん減ってしまうわけです。植物にとっては本当の食べ物が奪われるんです。だからこんな土には植物は生えません。それを化学肥料をやって、その化学肥料の簡単な成分を、硫酸アンモニウムのアンモニアだとか、過リン酸石灰のリン酸塩だとかいった簡単な物を吸い上げて、本当の自然の食物ではない食べ物を吸い上げてできてくる。みなさん見ての通り形は大きいけれどバシバシで硬くて味が悪くて、たとえば白菜を焚くと水ばかり出て、あとはバシバシでちっともおいしくない。まあそんなものができるんです。私も時々よそへ行った時などキャベツなど頂きますが、とても私達の農場でできた物にくらべると味が話しにならないんですね。よくもこんなものが食べられるものだと思うくらいまずいです。こういうインスタント食品ばかり食べて、そしてぶくぶくと肥って、ちょうど肥満児のようになった植物に病気が発生するのです。先ほど私が申しましたように、人間でも正しい生活をしておる方にはばい菌はつかない。ばい菌があっても病気にならないのと同じように、健康な植物には病気はつかないんだけれども、このように不健康になったものに虫や病気がつくわけなんです。
一例申しますと、私達が一昨年やった実験なんですが一枚の畑を3つにわけ、A地区には約半年完熟した堆肥をやり、B地区には化学肥料をやります。C地区には乾燥鶏ふんをやりました。 そうしてここにナンキンとかんぴょうを植えました。そぅしてウリバエがどのようにやって来るかを見ておりますと、とてもおもしろいんですね。B地区とC地区にものすごくついて、軸だけになってだめになってしまった。A地区にも来ているけれどもそんなにひどい被害はなく、立派に育ちましたが、他の二つはひどい被害でした。このように同じ畑でも違うわけです。何がなしに虫やばい菌がつくのではなくて、何か生活力が弱っている条件においてこの病害虫が発生するわけです。


現在の農法は死の農法である

先のことを考えずに、ちょうど人間の生活を考えないで、欠陥の病気だけを化学薬品である医薬品で治療するのと同じように、現在はこの結果だけを農薬で消そうとするわけです。農薬を使うと一時的に良くなります。しかしながらその植物の生命力はちっとも回復してないわけですね。ただ結果的に虫を殺したり、ばい菌をおとしたりするだけです。しかし、農薬により、まず最初にだめになるのが益虫なんですね。農家の方はおわかりでしょうが、最近はアブラムシが多くて大変お困りでしょう。アブラムシの天敵は何かと申しますと、七星てんとう虫です。これがほとんどおらなくなってしまいました。あるいは一枚の田、一反の田にはだいたい平均して五〜六万匹のクモがおるわけです。そして一日20万匹以上の虫を食べてくれるわけです。これを一回マラソンをまくなり、スミチオンをまきますとクモは全滅してしまいます。そして不思議なことにウンカとかヨコバエなんかは非常に抵抗力が強いのです。だから益虫がいなくなる。害虫は抵抗性を得てくる。そして、農薬は化学肥料よりももっと土を弱らせてしまいます。こういう条件がそろいますと必然的に病害虫が発生する。そうすると農薬をかけるという悪循環に農村は苦しんでいるわけです。だから農村ではだんだんに土は死んでいく。そして病害虫はますます厳しくなる。いくらでも農薬を使わねばならないということになるわけです。そうすると、農薬のために農家の方々がやられる。そして後で申しますように消費者がやられる。ともかく理屈ぬきにして私達の体の中に、ドイツ人の65倍の水銀がたまり、アメリカ人の40倍のBBCがたまり、そして今でも私の外来には農薬中毒の患者さんで、原因が分からなくて一年も二年も医者へ行っておられた方々が毎日やってこられます。こんな有様になりまして、気力・体力が低下する。そうすると労働がいやだから化学肥料にたよるという悪循環も起こってくる。結局、化学肥料と農薬にたよった現在の農法というのは土を殺し、益虫を殺し、そうしてついに人を殺してしまう。そういう死の農法であるということを提唱したわけです。
                                          
    (以下、次号に続く)

                           



慈光会の学習会レポート

「知らないと危ない合成洗剤の毒性」

 
3月5日(日)参加60名   
慈光会販売所2階会場(講師:長谷川 治《洗剤・環境科学研究会評議委員》)

「もう怖くて、二度と合成洗剤は使いたくないですねえ!」
学習会が終わって散会になったとき、参加した方々は口々にこう話しながら帰っていかれました。
ある学校の先生は
「今日出席した方は全員、合成洗剤の恐ろしさを心底納得したんじゃないですか。講師の先生のお話しは分かりやすくて説得力がありました。私の学校にも来てお話し
して頂きたいです。」とおっしゃっていました。
 添加物や農薬についてもそうですが、合成洗剤に関しても「知らない程怖いことはない」のが現代です。
 読者の皆様はご存じでしょうか?合成洗剤が「乳化剤」と名前を変えて、化粧品や食品の中にも沢山使われていることを・・・。

 それでは合成洗剤がどのように怖いものなのか、講師のお話しを軸にしてアウトラインを以下にレポートさせて頂きましょう。
 1999年、国は354種類の化学物質を有害と指定した法律を作りました。(PRTR制度:脚注参照)驚いた事に、その中に合成洗剤の主要成分が6種類も含まれて
いるのです。自宅にある洗濯洗剤、食器洗い洗剤の裏側の表示をご覧になってみて下さい。「LAS・AE・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム・ポリオキシエチレン・
アルキルエーテル」などと記してあったら、それは国が指定した有害物質に他なりません。
 来年からは合成洗剤に図のような「国際有害マーク」がつけられる事になりました(国連決議による)。有害マークの意味は次のようになっています。
(1) 感嘆符(触れると皮膚に刺激を与えたり、目を痛めたりする恐れがある)
(2)ひび割れた人体(健康への有害性がある)
(3)仰向けの魚と木(川や湖など水環境に有害である)
 学習会では、私達が朝起きて、歯磨き洗顔に始まり、洗濯、食器洗い、シャンプー、ボディソープなど、どれ程多くの合成洗剤に囲まれて暮らしているかを改めて検証し、
その危険性を学びました。合成洗剤は私達の体に有害なだけでなく、環境にも有害なのです。微生物の細胞膜を破壊してしまうので、環境の浄化作用を奪ってしまうのです。
又、分解されにくいので汚染は最終的に海にたまり、魚介類を死滅させ、その収量を激減させるなど、深刻な影響が出てきています。現在、合成洗剤の成分は川や海で残留物
として沢山検出されているのです。
 一方、石けんの安全性は、3000年前から使われている長い歴史の中で証明されています。しかも石けんは環境に流れ出すと「カルシウム石けん」となって水中生物のえさ
になります。そして一日で分解されて自然に返るので、川や海のどこからも石けんは検出されないのです。
 合成洗剤と石けんの人体に与える影響について次のような例が講師から紹介されました。30年前の出来事ですが、お父さんが粉ミルクと間違えて合成洗剤を溶いて、赤ちゃん
にあげる前に試しに自分で飲んでみたところ、そのお父さんが死亡する、という事件が起きました。では、石けんを誤って飲んでしまった場合はどうなるのでしょうか?石けんは
油と塩(アルカリ分)で出来ています。
飲んでしまった場合、そこに胃酸という酸が加わることになりますから、「油+塩+酸」で「ドレッシング」が出来上がることになります、と講師はユーモアたっぷりに話されま
した。
 同じように汚れを落とす目的で使われる合成洗剤と石けんですが、その性質と安全性には天と地ほどの差がある訳です。
 又、合成洗剤と石けんを見分ける方法も教えていただきました。洗濯洗剤と食器洗い洗剤は容器の裏を見れば「合成洗剤」「石けん」と明快に表示があります。消費者はこれを
見て判断すればよいわけです。こちらは経済産業省の管轄です。
 ところが、シャンプー、リンス、化粧品、医薬部外品などは厚生労働省の管轄で、同じ内容物でも「合成洗剤」「石けん」という表示が用いられていません。全成分が名前で
表示されるので、消費者が見分ける方法を知り、自己責任で判断することが必要になってきます。この方法も教えていただきました。
(詳しい資料は会員の方に差し上げています。)
 もっとも驚いたのが、次の例です。今、誰もが気楽に使っているファブリーズ等の消臭剤が「トリクロサン」という化学物質を含み、それが、人類が発明した最強の毒物
「ダイオキシン」の一歩手前の物質であるというのです。出かけるときに、ファブリーズを撒いてゆくと、留守の間、トリクロサンはお日様に照らされ熱が加わってダイオキ
シン
に変化し、帰宅したときには、部屋のなかにダイオキシンが出来上がっている、というのです。このことを講師が話された時には、会場にどよめきが起こりました。多く
の方に是非この事実を知っていただかなければ、と思います。皆様も周りの方々に是非お伝え下さい。
 もう一つ懸念されるのが合成洗剤による水道水の汚染です。上流で使われた合成洗剤は川に流れ込み、下流の人々はそれを浄水場で漉して飲料水にしています。しかし、現在の
ところ、合成洗剤のような化学物質は浄水場で取り除く事が出来ません。(学習会ビデオ参照)私たちの飲み水には確実に合成洗剤が入ってきているのです。そういう意味で、
合成洗剤を使う人が加害者であると同時に被害者でもある、被害者になると同時に、加害者にもなる、というのが現在の構図です。毎日毎日摂取することが欠かせない飲み水に、
合成洗剤のような化学物質が入っているのですから、その影響は恐ろしいものになるでしょう。日本で一番川の汚染が大きい大阪府に、全国で一番ガン患者の数が多い、という
データーも、水の汚染が影響しているのではないかと懸念されます。このように影響の大きい水の汚染の、被害者にも加害者にもならないために「合成洗剤は使わない」、という
決意と行動が、さらに重要になってくる訳です。しっかりと情報を収集して賢い消費者にならないと、家族の健康を守れないのが現代という時代と言えましょう。
 次号では講師のお話のなかから、町ぐるみで合成洗剤を止めて石けんに切り替え、見事に復活した地域のお話をレポートいたします。

(脚注:PRTR法:化学物質排出把握管理促進法
有害性のある化学物質がどのような発生源からどれくらい環境に排出されたか、というデーターを把握し、集計し、国が公表するしくみ。欧米では早くからこうした制度があり
ましたが、日本でもようやく施行され、化学物質を減らすための取り組みが始まったといえます。)

慈光会では、学習会に放映したビデオ、講師のお話を録音したオーディオテープ、慈光会が作成した資料、講師が学習会の時参照した資料を会員の方に貸し出ししています。
(資料は差し上げています。)食品の中に使用されている合成洗剤(蔗糖脂肪酸エステル等)や化粧品に使われている合成洗剤など一般には知られていない情報がたくさん
ありますので、会員の皆様は是非ご利用下さい。
 




農場便り 4月

   
 4月のそよ風が頬を撫でる。モンシロチョウ、ミツバチ、花アブが咲き競う野の花の蜜を求め、花から花へと飛び回る。
 作業中、額にうっすら汗がにじむ。この季節、時折吹く春風が心地よい。田や畑のあぜ道には、ハコベの白、ふぐりの青、仏の座の紫、たんぽぽの黄色、すべての花の色が幾重にも
重なり合う。花は春の太陽エネルギーを美しい色へと姿を変え、私の目を楽しませてくれる。
 農場の雑木林にふた抱えもあるほその木がある。幹は天高く青空へと突き刺さる勢いで伸び、太い根元にはコケがびっしり宿る。ほその木はクヌギに似ており、木肌はクヌギよりも
いささか白い。太く、高く伸びた枝にはたくさんの鳥が集まり、楽しそうに遊び、時には羽を休める。体の小さなメジロ、エナガ、山ガラ、シロジ、ヒガラ、ウジロ、青ジ、ベニマシコ、
ウグイス、初夏にはカッコウの声も聞こえる。コゲラが枯れ木を絶え間なくつつき、乾燥した音が林の奥深くまで響き渡る。草むらでは大きなキジが頭を持ち上げ、甲高い大きな声で
鳴き、毛を逆立てて大きく膨らむ。大空高く鳶が獲物を探し旋回を繰り返す。 ほその枝先は大きくほころび、新芽をのぞかせる。
 5月には新芽の薄緑色が青空と溶け合い淡い、その色彩が大自然のキャンバスに色を添える。3、4月には春、夏作の播種期で色々な種類の種が土へと撒かれ、一粒一粒の小さな種に
生命が宿っていることに不思議な世界を感じる。大地に落ちた種は、条件が揃うと発芽、発根し、大きく育ち、人々を養ってくれる。農場の隅にくず野菜の捨て場があり、その中に半分
腐ったジャガイモが捨てられている。冬を越しそのシワシワになった肌に芽が覗く。目に付いたいかなる物をも紹介するのが農場便り、今回はこれもご縁と世界中で食されているジャガ
イモを取り上げさせていただく。
 ジャガイモの原産国は南アメリカ、アンデス山脈の高地で、ナス科、多年草。2世紀以前より栽培されており、16世紀にヨーロッパに持ち込まれた。日本には1596年頃オランダ人
によって長崎に伝えられた。サツマイモよりも早い時期に伝えられ、ドイツでは度々起こる冷害から多くの民を救った。別名は「馬鈴薯」。その名の由来は、馬の首につける鈴に似てい
ることからこの名前がつけられた。成分はデンプン質が20%、タンパク質はグロブリンの一種のチュペリン、他にもカリウム、リン、鉄、カルシウム、ソラニン、トリプトファン、ビタ
ミンA・B1・B2、チロシナーゼ等が多く含まれており、バランス食品である。薬効もあり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、アレルギー、高血圧、腎臓病、脚気、小児喘息、気管支喘息、下痢、
肩こり、虫下しなどに病気の種類によって生で、又火を通すなどして用いる。何よりも和洋折衷、世界中の料理に使用されオールマイティである。加熱しても栄養分は壊れることがなく、
頼もしい食材である。3月上旬、畝幅120cm、株間30cmで2条に植える。現在農場のジャガイモは土の中で小さな芽を育み、あと幾日かで地表に顔を出し、やさしい光を浴びて光合成
により作られたデンプン質を地下茎に蓄える。そして6月には立派な芋を収穫することが出来る。その後1℃の冷蔵庫に入れ約一年間近く保存し、逐次出荷しながら皆様の食卓に届けら
れる。
 今日もまた春の長い一日が終わろうとしている。畑の除草を終日行う。昔ながらの農法で鍬で草を削る作業をするのは当農園と協力農家ぐらいであろうか。春の朝日は希望と勇気を
もたらし、夕日は疲れた身体をやさしく包み込む不思議な光である。夕方、大空を飛び交った鳥は巣へと帰ってゆく。途中、ほその大木で羽を休め、美しい声で仲間と語り合う。夕日に
映る姿はこの上なく可愛く美しい。都会では一日の仕事を終えたおやじ鳥が居酒屋にて疲れた羽を休める。
 仕事を終え帰途に着く。混み合った道中、車は吉野川に差し掛かる。春の夕日が河面(かわも)を光り輝かせる。河川の美しい風景に見入る。と同時に先日の学習会を思い起こす。
美しく見える川の水にも大量の合成洗剤や農薬が含まれていることを思うと、悲しさと共に胸が締め付けられる思いがする。近い将来、美しい川で子供たちが安心して水遊びをしている
風景を想像しながら、車は橋の中ほどに差し掛かる。川の南の堤防に目をやると、皮肉にも大きな文字が掲げられていた。
 「清流はわが故郷の宝なり」

                 
 ふきのとうが可愛い花を咲かせる農場より



「梁瀬義亮記念資料室」についての経過報告


 平素は慈光会の運動に御支援、御協力を賜りまして誠に有り難うございます。
 記念資料室につきましては、確認申請の許可が下り、4月中旬には着工の運びとなりました。秋頃には完成の予定です。
 今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。




   

五月の仏教会のお知らせ


 五月の仏教会は、下市 西迎院 ご住職 中村 晃和先生にご法話を聞かせて頂きます。
 皆様、是非ご参加下さい。
日時・・5月14日(日)午後1時30分より
場所・・慈光会館(販売所二階)