「料金が安いこと」と「エコロジー」であることとは全く別の問題です。それをごちゃ混ぜにして「安いからエコロジー」と印象付けるのは電力会社の宣伝の嘘と言わねばなりません。 |
実は、エネルギー効率は電気よりガスの方がはるかに高いのです。同量のエネルギーを得るのに、ガスは電気の1/5のCO2しか出しません。地球温暖化を防ぐためには、電気からガスに切り替えてゆくプロジェクトが必要なのです。 |
例えば、ドイツのロットヴァイル市では、電気レンジをガスレンジに買い換える家庭に補助金を出し、ガスの普及に努めています。それは2010年までに二酸化炭素排出量を25%下げる(1997年現在に比して)というロットヴァイル市が掲げる目標実現のためです。又、他の市では、電気レンジをガスレンジに替えた家庭には金製のプレートを配り、洗濯機の温水をガスで温めるタイプに切り替えた家庭には銀製のプレートを、同じタイプの食洗機に切り替えた家庭には銅製のプレートを贈るという活動をしています。3枚揃えると市の頭文字と同じになり、玄関ドアに取り付けると夜間は光るようになっている、など、ガスの普及に様々な工夫を凝らしています。自宅の玄関ドアに市から贈られた省エネマークが光っていたら、省エネ意識の高い市民は誇りに思い、こぞってガスへの切り替えに協力する気持ちを持ってくれるのだそうです。ドイツでは小学校から、週3時間のプログラムを組んで、熱心に環境教育に取り組んでいます。小学校低学年の子供が「塩化ビニールで出来た消しゴムは、ダイオキシンがでるから、買っちゃいけないんだよ。」とか、「筆箱は、ビニール製の物より、皮製のものがいいんだ。皮製のものは、ちゃんと土にかえるからね。」などと、インタビューに答える姿を見ると、(「ドイツ環境教育レポート」)日本との環境教育の差に驚かされます。そのようなドイツの熱心な環境教育の土壌があってこそ、電気からガスへの切り替えをスムーズに進めることが可能なのでしょう。 |
日本では、「電気の方がガスの5倍も二酸化炭素を出す」、という事実が学校で教えられないまま、また、消費者がその情報を知らされないまま、電力会社の宣伝を鵜呑みにし、オール電化住宅を建ててしまうというケースがほとんどなのではないでしょうか。 |
オランダなど海抜の低い国にとっては、温暖化による海面上昇の問題は国家の死活問題です。ニューヨークの自由の女神像が温暖化による海面上昇で、海面から顔と腕だけを突き出しているシミュレーション映像を最近テレビで見ましたが、このまま温暖化が進むとこの映像が現実となってしまう可能性も十分ある訳です。ニューヨークが水没し、東京、大阪が水没し、海岸沿いの都市の多くが水没してしまうとしたら、人類の生活は激変してしまうことでしょう。 |
オール電化住宅の選択は慎重にしなければなりません。それは、直接、環境汚染、温暖化と結びつく面を持っていることを知っておく事が大変重要な時代となった訳です。 |