温暖化問題「不都合な真実」を見て |
この記事を書かせていただいた後、私たち慈光会職員は皆で、「不都合な真実」という映画を見に行きました。「地球の温暖化の危機を伝える作品」と聞いていたので、大変興味があったのです。 |
1970年に「キリマンジャロ」は山腹まで雪に覆われていましたが、2000年には山頂にわずかな雪をいただくのみになっている映像。1978年以降南極の氷は10年毎に9%程度減少しているというデータ。ツンドラ地帯の永久凍土がとけだした為、傾いて枯れかかってしまっている針葉樹林の姿。溶け出した永久凍土に飲み込まれていくように土台から傾き大地に沈みかけてしまっている家。海水温度上昇のために大型化するハリケーンや台風のすさまじい映像とその大規模な被害の有様。次々に示される衝撃的な映像とデータに、危機意識を持たない人はいないのではないでしょうか。温暖化にストップをかけるためには、あまり時間がないことを、これからの5年10年が非常に重要であることを思いました。 |
映画の中におもしろい映像が出てきました。「天秤ばかりの片方に金塊が載り、もう片方に地球が載っていて、つりあっている」という絵です。地球と金塊を秤にかけているのですから「どちらが大切?」と問いかけている絵にも見えます。確かに金塊は魅力的です。その魅力に目眩まされて、地球より金塊を選んでいる人は大勢いるのではないでしょうか。温暖化防止より経済を優先して考える経営者、政治家。そしてオールナイトでテレビラジオを放送し続ける放送局。不夜城のネオン街。暑すぎる暖房と寒すぎる冷房。あらゆるところに置かれ、大量の電気を消費しつづける自動販売機(100万キロワットの原発一基分を消費)。10%の割合で消費されるという全家庭に潜む待機電力。 |
でも、実はこの絵は間違っているのです。もし、地球がだめになってしまったら、てんびんに載るはずの金塊も存在しなくなってしまうのです。地球がだめになってしまったら、その上に生を営む私たち自身がいなくなってしまうのですから。人間の住めなくなった地球で「金塊」にどんな意味があるのでしょうか。
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私たちの選択肢は「地球」しかないことに気づきます。昔から「命あっての物種(ものだね)」と言われてきましたが、「地球あっての物種」も又、真なのではないでしょうか。 |
映画は、最後の字幕で解決策を丁寧に提示していました。「もう手遅れだ」と悲観する必要はありません。出来ることは沢山あるのです。慈光通信でも次号からテーマとして「解決策」を取り上げてゆきたいと思います。 |
慈光会ライブラリーにも次のような参考図書があります。どうぞ、ご利用下さい。(貸し出しは無料です。)出来ることから始め、周りの人々にも伝えさせていただきましょう。 |