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健康の話 (6)
  

梁瀬 義亮


 

話は横にそれましたが、このような訳で、無意識の世界の自律神経を安定するということが大事ですから、そのためには、怒ったり心配したりしないようにしなければいけませんし、人には親切にし、やきもちを妬かないようにし、欲を張ったりせず…その他色々ございます。けれどもそれをするなというのは、顔を替えろと云うのと同じことで、そんなことは出来ません。鼻の低い人に高くなれと云っても無理ですし、高い人に低くなれと言っても無理です。一重まぶたを二重にしろと云っても出来ません。

しかし仏道修行していると、不思議なことにそれが出来るのです。例えば、心の顔が変わるのです。そうすると肉体の顔も変わります。一生懸命仏道修行をしても、別に鼻は高くなりません。高くはなりませんが、人間には「相」と「好」があります。「相」と云うのは、鼻が高いとか低いとか、口が大きいとか小さいとか、そう云う大きな造りのことです。「好」と云うのは極々細かい造りのことです。ですから、「相」は人間がもって生まれたものなので変わりませんが、「好」は変わるのです。極々細かいところが変わって、不思議と、みっともない人はみっともない様に皆に好かれるようになり、きれいな人はきれいな人の様に皆に尊敬されるようになります。反対に美男、美女であっても人に嫌われる人がいます。これは「相」は良いけれど「好」が悪いのです。仏道修行では、「相」はあまり変わりませんが「好」が変わるのです。ですから顔は元のままだけれども、不思議なことに何だか気高い人になって、光り輝くようになってくるのです。人に尊敬されるのは美男美女ではなく、「相、好が良い」ということが尊敬され、あるいは愛されるのです。

また、生まれながら胃腸の弱い人は一生弱いです。弱いながら、病気になりません。運命もそうなのです。生まれたときに、大体の運命をもって生まれて来ています。大変な災難に遇わなければならなかったり、大体の筋道は変わらないのですが、同じ道でも通り方が変わってきます。例えば、大変な目に遇わずに通ったり、良い目に遇うように通る通り方もある訳です。

私自身のこと申しまして申し訳ないのですが、私は前世の業が悪いというか本当に災難の多い一生でございました。けれども仏道修行のお陰で、災難が修行に変わっていきました。普通では出来ない修行も、その災難が変わっていって、行うことが出来ました。お陰で私は二五才で首を切られて、今頃フィリピンでシャレコウベになっているところを、こうやって生きさせて頂いて来ましたし、またそのお陰で、仏陀や祖師の真理の光、許しの光の実在を確信出来る様になってきました。これは皆、あの大変な災難に遇ったお陰です。《先程も、阿弥陀経を読みながら感動して思い出していたのですが、昭和二十年の五月三日に、フィリピンのバギオのトリニダッドという所でアメリカの戦車に囲まれ、翌日は全滅ということになりました。その前の晩に、明日いよいよ終わりだなと思いながらふと見ると、夕日がとてもきれいだったのです。「そうだ、どうせ死ぬのなら今死んだって同じだから、あの山のところに登って夕日を拝んで阿弥陀経をお勤めしよう。これでお父さんやお母さんにお別れしよう。」と思い、それから米軍からも見える西向きのちょうど良い場所へ行き、そこで座禅をして、精一杯阿弥陀経を勤めさせていただきました。その時の美しい夕日と、その夕日を拝みながら阿弥陀経をお勤めさせていただいた感動を今でも思い出します。不思議なことで命拾いしまして、今も生きています。》

話は少し横にそれましたが、このような訳で、静けさ、大自然、光、こういったものがなくても、仏道修行やベートーベンのような立派な音楽等によっても、自律神経の安定は得られるものです。ですから、健康という意味でも仏道修行は非常にありがたいということを、私は感じています。私はマラリアになったり、アメーバ赤痢になったりしましたので胃腸は丈夫ではないのですが、胃腸が悪いとは殆ど云ったことはありません。マラリヤやアメーバ赤痢に一度かかると、胃腸が非常に弱くなるのですが、それでも悪いとは云ったことがありません…。と云うのは、仏道修行のお陰で、悪くなるようなことを、努力してしないのではなくて、ひとりでにしないようになり、少しも悪くならないのです。このような訳で何事にも文句もなく、ありがたいことでございます。《また、こう言った意味で寿命も延ばしてくれるのです。》

それから生と死の問題を解決していたら、病気になってもじたばたしなくても良いと、私はそのように感じています。このような訳で、音楽も出来たら一度聞いて帰って下さい。  

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食品添加物はどのくらい危険

慈光会会員  井西 治
  

 

この「複合汚染」という用語の意味と内容について、有吉さんが大変分かり易く解説されていますので、紹介します。

(複合)…一三〇頁 〈複合汚染というのは学術用語である。二種類以上の毒性物質によって汚染されることをいい、二種類以上の物質相加作用及び相乗作用が起こることを前提として使われる。分かりやすく云えば、排気ガスで汚染された空気を呼吸し、農薬で汚染されたご飯と、多分農薬を使っているが、どんな農薬を使っているかまるで分からない輸入の小麦と輸入の大豆で作った味噌に、防腐剤を入れ、調味料を入れて味噌汁を作り、着色料の入った佃煮を食べ、米とは別種の農薬が振りかけられている野菜、殺虫剤と着色料の入った日本茶。と言う具合に、私たちが日常、鼻と口から体の中に入れる化学物質の数は、食品添加物だけでも一日八〇種類と言われている。(農薬と大気汚染を勘定すると、何百種類になる)この八〇種類の一つ一つに関しては、極めて微量であるし、厚生省も農林省も責任を持って安全を保障している毒性物質であるから、何も心配することはないということになっている。〉
今から二五年前の話ですが、当時の厚生省、農林省のえらいさんは、私たちにそう呼びかけていたようです。そして今も、世間ではあまりにも添加物について理解がないと嘆き、大丈夫だから心配するなというのですが、ここに引用させて頂きましたお二人の書を読む限り、たとえ、あまりに無理解だと嘆かれようとも、決して安心する訳にはまいりません。
(記事)【「そう、分からないことはたくさんある。と言って心配していたらストレスでかえってがんになりやすくなる。添加物は少ないにこしたことはないけれど、健康を守る上で一番大切なのはバランス感覚です」こういうのは30年近く食品添加物とかかわってきた元東京都消費者センター試験研究室長の増尾清さんである。】
この方のお話もわからないではありませんが、このように単純な結論をきかされると、無農薬栽培や無添加食品の生産に取り組む人々の努力をどのように受け取っているのかと反問したくなります。「健康を守る上で大切なのはバランス感覚」当然のことです。しかしそれには本当に安全な食品が食べられるという前提条件があるべきでしょう。
(記事)【全体を考えるのが大事だから、取るべき対策も多岐にわたる。企業はなるべく添加物を使わないように努力する。消費者は買う段階で表示に気をつける。次に下ごしらえ。例えばソーセージの添加物もお湯にさっと通すだけでかなり落ちる。普段からあれこれ食べて抵抗力の強い体を作っておく。「それと笑うこと。人生に楽しみを見つけるのもがんの予防のコツですよ」と、増尾さんは付け加える。  愛知県がんセンターの富永さんは、がん患者とそうでない人の好みや習慣の違いを調べ食生活の改善がどのくらいがんの予防するのかを93年に報告した。国民全体が塩分濃度の高い塩辛い食品をなるべく避け、脂肪を取りすぎず、生野菜や繊維の多い食品をたくさんとるようになると、がんの約一二%が予防できると推定した】
「食品添加物はどれくらい危険」これがこの記事のテーマでした。そして終節のお二人の談話はこの問題提起に対する結論ということになるのでしょうか。またこの記事を取りまとめた側の結論でもあるとしたら、マスコミの持つ影響力の大きさから考えて、それは大いに異議ありということになります。いま少し事例を挙げてみましょう。

『「パンの王様が作り続ける添加物パン」…(週間金曜日'97.2.21号)  山崎製パンの「クリームパン」の原材料は、フラワーペースト・小麦粉・液糖・乳製品・油脂・卵・イースト・食塩・乳化剤・イーストフード・V.C・酸味料・香料・着色料(カロチン・V.B2)・保存料(ソルビン酸K)・増粘多糖類で造られている。この内食塩までが食品原料で、後はすべて食品添加物だ。まず問題なのが、イーストフード。フードなどと書かれると、食べ物と錯覚してしまうが違う。合成添加物の塊だ。 塩化アンモニウム・炭酸カルシウム・リン酸塩など一三品目の合成添加物から、五〜六品目を混ぜて作られているのがイーストフード。イースト菌にイーストフードを食べさせて小麦粉を発酵させると、機械でもふっくらとしたパンに仕上がる。山崎のみならず、殆どのメーカーの食パンや菓子パンに使われている。しかし、塩化アンモニウムは毒性が強く、犬に六〜八グラム口から投与すると、一時間以内に死んでしまう。人間が大量に摂取すると、吐き気や嘔吐、さらに昏睡を起こすことがある。…中略…「クリームパン」最も問題なのは、合成保存料のソルビン酸Kである。チョコレートパンにも使われている。保存料は、細菌の成長や増殖を妨害し食品の腐敗を防ぐ。つまり細菌にとっては毒性物質であるから、人間の胃や腸にも悪影響を与え、細胞の遺伝子を破壊する。』 こういうパンが現在市場には溢れています。すでに有害パンに関しては八三年、昭和女子短大講師の郡司篤孝氏が「食品添加物読本」を出版され、山崎製パンをはじめとする大企業の有害パン製造に対し怒りを込めた警告を発しています。その内容は前出の山崎パン告発と同様です。とても「人生に楽しみを見付けて笑っているのが、がん予防のコツ」などと安心しているわけにはまいりません。

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お料理一口メモ
   
 

        

梅干しをもっとお料理に取り入れてみませんか。爽やかな酸味は夏の減退しがちな食欲を刺激してくれます。

きゅうり二本を乱切りして、さっと塩揉みします。板摺りしても良いでしょう。きゅうりの青臭さが抜けたら、余分な水分をすてます。そこへ梅干し一個の果肉を細かくたたいてペースト状にしたものを混ぜ合わせていただきます。お好みで、醤油や糸がつおをかけていただきますと酸味が和らぎます。果肉の量は加減して下さい。(協力農家から教えて頂いた調理法です。)

合わせ酢の中に、少しだけ梅肉をひそませて、キャベツ、もやしなどの茹で野菜やわかめを和えます。梅の香りがそこはかとなく漂って、いつもの酢の物とは又違った風味が楽しめます。

納豆の中に、青ネギのみじん切りと削りガツオ、梅肉を混ぜます。手のひらサイズに切った焼き海苔の上に、ご飯とこの納豆を乗せて、くるりと巻いて、お醤油をつけながらいただきます。また、この納豆をレタスやキャベツに巻いていただいてもなかなかです。豆、菜っ葉、海藻、梅干しが同時にいただけて、とってもヘルシーな一品です。手巻き寿司の芯にも応用できます。

ひと塩した大根と青じその千切りをみりんでゆるめた梅肉で和えて。山芋の千六本とわかめ、酒蒸しして裂いたささみ等と和えても。

梅肉を、青魚にぬってフライにしたり、白身魚の天ぷらの衣に加えたりすると、揚げ物でも大変あっさりいただけます。あれば青じそを加えると、いっそうよい香りになります。

お椀に梅肉と、塩昆布、ネギ、もみのり、三ツ葉など好みで取り合わせ、熱湯を注ぎます。さっぱりとした澄まし汁が出来上がります。お味は塩、醤油などで加減して下さい。

こんな風に、梅干しを様々に応用して召し上がってみて下さい。梅干しの整腸作用や疲労回復作用で、夏バテ予防に効果大です。梅干しはあらかじめ果肉だけペースト状にし、ビンに保存しておきますと、いつでも気軽に使え大変便利です。

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